HOME > ニュース > アイ・オー、DLPA 2.0/リモート視聴対応「RECBOX DR」。'15年にはDLNA一括管理など大幅機能強化

リモート視聴でのチャプタースキップも

アイ・オー、DLPA 2.0/リモート視聴対応「RECBOX DR」。'15年にはDLNA一括管理など大幅機能強化

公開日 2014/11/19 11:00 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アイ・オー・データ機器は、テレビ番組の保存・視聴に対応したNAS「RECBOX」の新製品として、DLPA 2.0に対応した「RECBOX DR」シリーズ3製品を12月中旬に発売する。

・「HVL-DR2.0」(2TB)¥OPEN(予想実売価格35,800円前後)
・「HVL-DR3.0」(3TB)¥OPEN(予想実売価格41,800円前後)
・「HVL-DR4.0」(4TB)¥OPEN(予想実売価格53,800円前後)

これまで同社は、RECBOXとしてHVL-ATシリーズ(関連ニュース)などを展開してきた。HVL-ATシリーズは、あらかじめ設定しておいた条件をもとに、レコーダーから自動的にダウンロードムーブし、コンテンツを本体に保存することができる。さらにDTCP+によって、保存した番組を外出先でも楽しむリモート視聴も可能だ。リモート視聴時の通信環境はまちまちであるため、トランスコーダーも内蔵。適切なサイズに変換して配信することができる点も話題となった。

「RECBOX DR」シリーズ

今回の新製品では機能強化を図るとともに、デザインも変更。外形寸法127W×45H×210Dmmというコンパクトな設計としたほか、縦置きにも対応させた。また、温度回転制御に対応した静音ファンも採用するなど、使い勝手にも気を配った。

縦置きも可能になった

温度回転制御に対応した静音ファンも採用

またDLPA リモートアクセスガイドライン2.0(DLPA 2.0)にも対応。DLPAで策定された対応メーカー機器同士で相互接続が行えるので、同一メーカーで揃えなくても高い接続互換性が得られる。

なお本機は、ベースプラットフォームをこれまでのアイ・オー・データ内製のものから、DigiOnの「DigiOn DLPA NAS Platform」に変更した。アイ・オーはDigiOnに資本参加しており、これまでのノウハウを新プラットフォームにほぼすべて注入したという。同社によると、「アイ・オーが作り続けると、他社に提供することもできず、結果としてDLPA NAS自体が普及しづらい。このためDigiOnさんにノウハウを供与し、DigiOnさんが他社にも提供できる環境を作りたいと考えた」という。

名称の「DR」は、「Digital Rack」を表したもの。後述する2015年予定のアップデートなどにより、単なるNASではなく、家中のデジタルコンテンツをまとめる「ラック」に育てたいという願いが込められている。

設定アプリは新バージョン。ライセンスをあらかじめ添付

設定アプリは「I-O DATA DR Controller」を用意。スマホやタブレット、PCを使ってHVL-DRのすべての機能を設定できる。特にスマホを意識したUIを採用し、ストレス無く操作が行える。

再生アプリは「DigiOn DiXiM Play」という新アプリを使う。iOSとAndroid、Windows 8.1(x86/x64)の3バージョンを用意している。本機に、あらかじめ各OSごとに1ライセンスを添付しており、アプリを購入する追加出費無しで使い始められる。たとえば複数のiOSデバイスで使用する場合は追加ライセンスキーが必要となる。このライセンスキーの詳細は別途アナウンスが行われる予定だ。

転送コンテンツをトランスコードすることが可能に

従来モデルでも、レコーダーからの自動ダウンロードムーブには対応していたが、新モデルでは条件設定の項目を増やすなど、よりきめ細かい条件設定が可能になった。なお、レコーダーだけでなくDTCP-IPムーブ/ダビングに対応したテレビからの転送も可能だ。

自動ダウンロードムーブの条件設定がより細かくなった

また新機能として、DTCP+配信用のトランスコーダー「Smartplaying Engine」を利用し、RECBOXに転送したコンテンツを、H.264にトランスコードして圧縮保存することが可能になった。選択できるのは約8MbpsのHR3モード、3.4MbpsのHR7モード、1.6MbpsのHR15モード。たとえばDRモードで録画したコンテンツを圧縮したり、高ビットレートのMPEG-4 AVC/H.264コンテンツを低ビットレートに圧縮したり、などという使い方が行える。

トランスコードはリアルタイムでは無く、転送が終わった後の、利用していない時間を使って圧縮を行う。トランスコード中にDTCP+視聴があった場合、DTCP+視聴が優先される。

設定アプリは新バージョン。ライセンスをあらかじめ添付

さらに本機では、パナソニックDIGAとソニーブルーレイ、nasneのチャプター情報を、レコーダーからのコンテンツ転送時にRECBOXへ引き継ぎ、リモート視聴時に活用することができるようになった。

iOS版アプリでリモート視聴時にチャプター一覧を表示したところ

同じくAndroid版のチャプター一覧画面

たとえばDIGAやソニーブルーレイ、AQUSOブルーレイなどもリモート視聴が行えるが、これらはチューナーを内蔵しているため、NexTV-Fが策定したリモート視聴の要件を満たす必要がある。同要件ではCMスキップを認めていないため、チャプタースキップはもちろん、たとえば30秒送り、10秒戻しなどの操作も行えない。これに対して本機はチューナーを備えていないため、このような制約を受けず、リモート視聴時にもチャプターや30秒送りなどが行える。

30秒送りなども行える

そのほか、「スカパー! プレミアムサービス Link」に対応。対応チューナーとLAN接続することで、本機にHD画質そのままで録画したり、コンテンツをダビングすることなどが可能だ。またJlabs Spec-020にも対応し、JCN/J:COMの「Smart TV Box」と連携して直接録画やムーブを行うことも可能となっている。

なお本機は、ダウンロードムーブを行うだけで無く、レグザブルーレイやパナソニックDIGA、RECBOXにムーブアウトすることもできる。

2015年には大幅アップデートを順次実施予定

2015年には、大幅なアップデートを行う予定だ。まず一つ目は、DLNAのVDMS(仮想DMS)機能への対応。他社レコーダーを含めたDLNA対応製品をまとめて一元管理することが可能になるという。家庭内にレコーダーやテレビ、nasne、PC、NASなど様々なDLNA対応機器があるというユーザーにとって、非常に便利な機能になりそうだ。

このVDMSとあわせて使う機能が「トランスコード中継」で、古いBDレコーダーやNASなど、スマホで見られる映像にトランスコードして配信する機能がないモデルでも、本機のトランスコーダーを使って宅内に配信することが可能となる。

三つ目はAVCHDコンテンツのトランスコード対応。ハイビットレートのAVCHDコンテンツをあらかじめ適切なビットレートに落としておくことで、スマホやタブレットでリモート視聴を行うことが可能になる。

そのほか、外出先からでもHVL-DRのコントロールが行える「Remote UI」、複数台のHDL-DRのコンテンツをDiXiM Playを使ってオフラインでいつでも手元で一元管理し、スピーディーにコンテンツのありかを把握し、再生時に適切な機器と接続できるようにする「オフライン・ビューアクセス」、外出先のスマホで撮影した写真や動画をHVL-DRに保存可能にする機能などを追加する予定だ。

アップデート時期については、一番早いのがAVCHDのトランスコード対応で、これは1月頃になる見込み。そのほかの機能は6月頃までをめどに実装したい、としている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック